デジタルへと進化を遂げる伝統的なボードゲーム

タブレット

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単なるお遊びやゲームに過ぎないことなど、何もない。ゲームをプレイするということは、決して他愛のない暇つぶしではないのだ。ゲーム、より具体的に言えばボードゲームをプレイするという行為は、長らく、重要な危機を解決するための脳トレに最適な方法のひとつとされてきた。ある種のゲームをプレイすることで、人間の性質がより把握しやすくなり、さらに人間がより大規模な集団となった際に働く特有のダイナミクスへの正確な理解が深まる。

その理由は、ゲームをプレイする人には、一緒にゲームをプレイする人感情が非常に見えやすくなりがちだということにある。自己を探究し、自分自身を真に理解したいという新たなニーズが芽生えた現代においては、ボードゲームをプレイすることへの関心が劇的に高まってきた。非常に自然な流れとして、インターネット時代の幕開けとともに、子供時代や若い頃に遊んできた伝統的なボードゲームがオンラインで再登場するようになった。

古き良き時代を懐かしむ

何の心配もいらなかった子供時代を思い起こさせてくれる活動に執着するのはよくあることだ。聡明そのもので、博識な大人が、蛇と梯子のようなあまりに単純なゲームになぜかいまだに惹かれる理由のうち最大のものがこれだろう。ルールは簡単なものだ。順番にサイコロを転がし、プレイヤーは出た数だけ自分のコマを盤上で進める。コマが梯子の一方の端に到達すると、そのプレイヤーは梯子を登ることができ、結果としてそのコマが盤上を大きく進むこととなる場合が多い。しかし、そのコマが蛇の頭に到達すると問題が起こる。そのコマは蛇のしっぽまで滑り落ち、盤上の低い、あるいは悪い位置に移動しなければならなくなる。 決してハラハラさせられるようなものではないが、いまだに時折プレイしたくなるゲームである。

おなじみのゲーム

極言すれば、ゲームにはさまざまな人間行動が詰まっており、いずれもその本質は似通ったものだ。 例えば、モノポリーは、長年にわたり愛されているボードゲームだが、その生い立ちさえもが人間の性質を顕にするものである。このゲームは、株式市場の暴落で終焉した金融危機のさなかに開発された。富める者が非常に貧しい者を食い物にすることでさらに富を増やした当時の経済情勢を反映したゲームである。

ゲームの箱に描かれた「ミスター・モノポリー」のモデルは、他でもないJ・P・モルガンである。まさに適役といえよう。

登場時こそ地味なものではあったが、その後、モノポリーはさまざまなカラーや多彩な要素を追加し、何度もリメイクされてきた。当然の結果として、オンライン領域へも進出しており、オンライン業界は今や、バーチャルで定番のゲームで遊ぶプレイヤーから利益を得ている。オンラインカジノセクターへの進出も果たしており、スロットやその他のゲームにはモノポリーの有名なボード、帽子や犬などの見覚えのあるシンボルがあしらわれている。

暇つぶし

外出し、高価なエンタテインメントに大枚を費やす代わりに、自宅で手頃に楽しめるオプションを多くの人々が探しているのが実態だ。ボードゲームはまさに究極の解決策であり、何よりも、手頃に楽しめる娯楽である。

オンライン企業は、ゲーム内通貨や、他のプレイヤーからゲーム内で役立つバーチャルアイテムを手にするために少額の課金を行うプレイヤーから収入を得ている。支払いはPayPal やその他のオンライン決済プラットフォーム経由で行われる。昔ながらの定番ボードゲームを想像力にあふれる新しい方法でプレイヤーに提供するオンライン企業は、ちょっとした成功を収めつつある。なぜなら、それが万人にとって善策だからだ。

新旧が出会うとき

すでに知っているものに愛着を感じる人が多い一方で、誰しも時代に取り残されたくないという気持ちがあるのもまた事実だ。したがって、伝統的な価値観で育てられた人であっても、デジタルを愛する他の人々とともに未来へ進んでいると感じられる何かを体験したいという思いを抱いているのである。

伝統的なボードゲームをオンラインでプレイするという選択肢は、まさにこの新旧が交わる点といえよう*。*小さな子供のころから慣れ親しんできた大好きなゲームを、時代の流れに沿った形で楽しめるという機会が生まれたのである。

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