ブラックパンサーとアフロフューチャーリズムの誕生

クラッパーボード

ソース: Pixabay

1月に公開された『ブラックパンサー』は映画界に旋風を巻き起こしました。リリースから2週間足らずで7億ドルの興行収入を記録したこの映画は、これまでに発表されたコミック原作の映画の中でも屈指の速さで大ヒット作品の仲間入りを果たしたのです。コミック原作の映画はどれも大ヒットを飛ばしており、オンラインカジノだけでなく作品をフィーチャーした他のゲームのリリースも活況を呈していますが、『ブラックパンサー』はこれまでにないものをもたらしています。この作品と比較すれば、オンラインカジノで楽しめるのはおしなべて月並みなスーパーヒーローものしかありません。

映画のヒットはアメリカだけの話ではありません。各国での『ブラックパンサー』公開直後の興行収益をみると、南アフリカで歴代3位、東アフリカと西アフリカの両方で最大の興行収益を記録。俳優、シナリオライター、プロデューサーの大部分に黒人を起用した『ブラックパンサー』ですが、他のメインストリームの映画ほど受けない、というのが多くの批評家の意見でした。そのため、この結果は驚きをもって迎えられたのです。

ブラックパンサーの影響

本作の影響は単にハリウッドのエリートの考え方を変えるだけにとどまりません。強い影響力を持つ人の中には、少数派の人々、特にアメリカ在住の黒人やアフリカ人を刺激し、意欲を持つきっかけとなる可能性を見いだしている人もいます。

少し想像してみてください。戦いに勝利して逆境を乗り越えるスーパーヒーローや高度な技術力を持つ黒人国家など、自分が共感できるものを見たことがない黒人の子供を。自分たちと同じ姿をしたスーパーヒーローを見たことがない子供を。兵器の専門家、そしてプリンセスとして描かれるパワフルな黒人女性を見たことのない少女を。そうした人々がある日突然、自分と同じ肌の色をした人々が悪と戦って国を救う姿を見るのです。ヒーローの姿は前向きで美しく、かつ鮮烈な輝きをもって描かれ、人々は世界一幸福なアフリカの最先端国家を見ることができるのです。

アフリカの国が飢えた人々の暮らすひどい場所として描かれなかったのはいつ以来でしょうか? 黒人国家の闘争を主題に据えなかった映画はいつ以来でしょうか? 『ブラックパンサー』は慣習を破って成功を収め、かつ世界が現在直面する政治的問題を多数盛り込んでいながら、視聴者に意見を押しつけることをしていません。

これは黒人にとって魅力的であるだけでなく、新しい視点を提供し、他の人種の幼児にも影響をもたらす可能性があります。このような観点から見るとこの映画の可能性は莫大なものであり、GoFundMeでは子供たちが映画館で『ブラックパンサー』を見られるようサポートするためのキャンペーンが始まっています。

『ブラックパンサー』を楽しんでいるのは黒人だけではありません。視聴者層はあらゆる宗教と人種にまたがっており、黒人が主人公のスーパーヒーロー映画はもっぱら黒人にしか売れないという先入観を完膚なきまでに打ち砕いています。

ストーリーライン

『ブラックパンサー』は、アフリカのワカンダという架空の国を舞台にした、父王を亡くした若き国王の物語です。ワカンダは一見貧しく取るに足らない奥地の国ですが、実際にはあまりに高い技術水準を誇るため、それを隠しているのです。

映画の大部分はアフリカの文化が土台になっています。例えば王の使命や、正義の戦いに向かうその若き息子などが一例です。アフリカの音楽や言語を使うことは、多様な人々の心を動かす力を発揮します。世界の命運を左右する戦いに正義が勝利するのは言うまでもありません。アフリカ大陸が指導者を求めている現在、この映画の公開は時宜に適っています。

『ブラックパンサー』の人気

映画の公開が大きな話題を呼んでいますが、本作については以前からさまざまに語られており、また黒人のポップカルチャーが急激に注目を集めています。本作は、黒人の生活にまで波及していく物語を語ることに焦点が当てられています。歴史映画で描かれる奴隷としての黒人、あるいは都市の片隅で抗争するギャングとしての黒人にフォーカスを当てることから脱却しようという動きが起きているので、これは特筆すべきことでしょう。ハリウッドでは長い間、アフリカ系アメリカ人は脇役として起用されることがほとんどでした。そうした背景があって、近未来のアフリカの物語を黒人キャスト主体で描いた本作品は、映画業界に長らく欠けていたものとして歓迎されることとなったのです。

『ブラックパンサー』は基本的には売上を第一としたシリーズの作品であるにも関わらず、上述した全てを成し遂げました。本作はスーパーヒーロー映画ファンのみならず、その文化的バックストーリーで多くの人を惹きつけ、「何かよさそうなもの」を求める映画ファンも魅了してきました。『ブラックパンサー』は全く新しい映画ジャンルを打ち立てた、まぎれもない金字塔と呼べる作品なのです。

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