工作に活用されるAI技術、ディープフェイク

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2020年もいつのまにか1週間以上が経過し、お正月ムードからいつもの日常に戻ろうとしている。

家族と家でのんびりと過ごした人、友達と飲み会に明け暮れた人、軍資金の限りライブルーレットをプレイして燃える日々を過ごしていた人も、否が応でも仕事、または学業へと足を運ぶ必要がある。

それはたとえアメリカ合衆国大統領でも同じことだ。2020年は任期中に嵐を巻き起こし続けた男、「ドナルド・トランプ」の任期が終了するため、大統領選挙への準備を始める必要がある。

今回はそんな白熱する選挙戦の裏で悪用されるAI技術「ディープフェイク」をご紹介していこう。

あのアイドルが・・・?! 進化するAI技術の悪用

一昔前はアニメや映画の世界の話だった「AI(人工知能)」も、今となっては手の届く、いや、実はいたる所で活用されている技術だ。

たとえば、大手通販会社「ZOZO TOWN」の社長を月に送ることで日本でも話題になった「TESLAモーターズ」の自動車すべてに、AIによる自動運転機能が搭載されている。

それだけではなく、防犯カメラの映像などから犯人をかんたんに特定することができる顔認識システムも、AIによる解析の賜物だ。

そんな人類の生活に役立つAI技術も、使い方を少し変えれば「ディープフェイク」のように悪用することができる。

2017年秋、英語圏で絶大な人気を誇る掲示板「reddit」にAI技術を利用した一本の動画が投稿された。こう書くと聞こえはいいのだが、それはなんと成人向け動画にハリウッドの有名女優の顔を合成したものだったのだ。それも、ぱっと見ではわからないほど自然な合成だったそうだ。

動画の投稿者「deepfakes」の名前からそういった合成動画は「ディープフェイク」と名付けられ、2018年には別の投稿者がディープフェイクを簡単に作成できるソフトを開発、公開したことで爆発的に増加していった。

そういった動画の被害にあっているのはハリウッド女優だけでなく、日本の人気アイドルや芸能人なども多数含まれている。

ビデオ編集

ソース: Unsplash

ついにディープフェイクは政治にも?!

そして、頭のいい人なら感づいたかもしれないが、ディープフェイクはなにも成人向け動画にだけしか使えないわけではない。

ディープフェイクで適当な動画に政敵の顔を合成して、それを公開してしまえば素人や事情を知らない人は簡単に騙されるだろう。2016年からトランプ大統領が「フェイクニュース」を連呼していることは記憶に新しいが、こんどはディープフェイクを連呼される羽目になる。

実際、2020年の大統領選で、ディープフェイクを始めとする様々な「フェイク」によって公正な判断ができなくなると判断したFacebookの運営は、1月6日にディープフェイクに対する声明を発表した。

Facebook側としては、改変された動画をすべて削除するわけではないが、誤解を招く恐れのある動画は削除する方針を固めた。これで、ある程度はディープフェイクの氾濫を抑えることができるのだろうか。

課題はまだまだ残されている。Facebookのような巨大なSNSだと、いくら動画を削除してもいたちごっこで追いつかない事がある。1分1秒でも削除が遅れてしまうと、それだけ他の人の目に触れるということだ。

また、ディープフェイクではない「チープフェイク(安っぽいフェイク)」という動画も問題視されており、これはAI技術を用いず、ただ再生速度を落としたりすることで、ろれつが回っていないようにみせる手法だ。

2016年には劇的な勝利を達成したトランプ、2期目はディープフェイクにかかっているのかもしれない。

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